慰謝料

慰謝料とは、不貞行為や暴力などの有責行為によって離婚に至ったことによって受けた精神的苦痛を慰謝するために必要な金員(慰謝料)です。慰謝料の請求は、有責行為を行った配偶者に対して請求をすることもできますし、不貞行為などの場合は、不貞相手に対しても請求をすることができます。
この慰謝料は大きく分けて以下の2つに分類されます。
①離婚原因となった有責行為から生じる精神的苦痛に対する慰謝料
②離婚によって配偶者としての地位を失うことによる精神的苦痛に対する慰謝料

慰謝料が認められるケース

慰謝料が認められるためには、相手方の行為が違法であることが前提となります。精神的苦痛を感じていても、相手方の行為が違法とは言えない場合は、慰謝料は認められません。

他方で、どちらかのみが悪いとは言えない以下のような場合、慰謝料が認められないことが多いです。
・価値観の相違や性格の不一致などの場合
・お互いにほぼ同等の責任がある場合

どのくらい請求できるのか?

精神的苦痛を客観的に算定するのは困難です。そのため明確な基準はありません。慰謝料の相場は200~300万円程度といったことが言われていますが、これはあくまでも裁判で認められる金額のおおむねの相場であり、事案によってこれを上回ることも下回ることもあります。

もちろん、裁判で認められる金額の範囲内で請求しなければならないということではないので、お気持ちに従った金額を請求することはできますし、当事者が有効に合意をすれば、300万円を超える慰謝料額を定めることもできます。

一方で、あまりに高額な金額を請求してしまうと、民法90条等によって無効となる可能性がありますし、そもそも、相手との交渉が難航し、本来得られたはずの成果を逃してしまうこともあります。そのため、弁護士に相談の上、金額を見極める必要があります。

なお、裁判所で認定される際に、慰謝料の算定に考慮される要素としては、
・離婚原因となった違法行為の違法性の程度
・精神的苦痛の程度
・違法行為が開始された時点における婚姻関係の状態(破綻の程度)
・婚姻期間
・子の有無
・社会的地位や支払い能力
といったものがあると言われています。

時効について

慰謝料はいつまででも請求できるわけではありません。不貞行為やDVについての慰謝料は、損害と加害者を知ってから3年以内、すなわち、不貞行為であれば不貞行為の事実と不貞相手を知ってから3年以内に請求しなければなりません。

もっとも、民法159条により、夫婦間の権利については、婚姻解消の時から6ヶ月を経過するまでは、時効が完成しないとされています。そのため、有責行為を行った配偶者に対する慰謝料請求については、損害と加害者を知ってから3年が経過していても、婚姻解消時から6カ月以内であれば請求をできる場合があります。
しかし、不貞相手に対する慰謝料請求については、民法159条のような規定がないため、損害と加害者を知ってから3年以内に請求をする必要があります。

また、暴力や暴言を原因として離婚に至り、離婚に至ったことについて元配偶者に慰謝料請求した事案で、離婚して配偶者としての地位を失ったことによる慰謝料(離婚慰謝料)は、離婚してから3年以内は時効が完成しない旨を判断した最高裁判例もあり(最判昭和46年7月23日(民集25巻5号805頁))、離婚慰謝料については、離婚後3年間は時効が完成しないと言われることもあります。

いずれにしても、そのケースにおいて時効が完成するおそれがあるかについては、弁護士にご相談のうえ慎重に判断してください。

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